キャラクター概要 （※クリックで展開。「荼毘に落つ」のネタバレを含みます）

一人称：僕、二人称：きみ

町の小さな小児科「こじまクリニック」に勤める関西弁の陽気な先生。
別に飛びぬけて賢くはないがちょっとばかり運が良く、ひょいひょいと医学部にストレートで進学するとあっさり医者になる。
関西弁の打ち解けやすさと人当たりの良さで子どもたちやその親御さんからは人気。
院長はのほほんとしたおヒゲのおじいちゃん（児島先生）。非常にアットホームな職場です。

カルト組織「菩提樹」のメンバーになったのは、中学生の頃に虐待を受けて心に大きな傷を負ったため。
両親が薬物中毒で、錯乱した彼らに覚せい剤やモルヒネ、大麻やら催淫剤までいろんなものを腕やら足やらに刺され注入されてきた。
果ては大量の睡眠薬をアルコールで飲まされるオーバードーズまで無理矢理させられ、一時期は精神崩壊寸前までおかしくなってしまう。
色々と犯罪紛いのことに巻き込まれたり、犯罪行為を行ったような気もするが、現実離れした風景であまりきちんとした記憶がない。
それでも人を殴ったり殴られたり、レイプしたりされたり、といったおぼろげな記憶に時折苦しんでいる。

全寮制の高校に進学してからは両親の手から逃れ、麻薬の類は摂取しなくなった。
自分の過去を隠したいこともあり、医師を目指すことにした。その筋の知識をもとに今の自分を作り上げている。
薄っぺらい笑顔を貼り付け、他人とはそれなりに壁を作らず付き合うことでうまく親しみやすい自分を演出することに成功した。
麻薬や親、中学時代の話が地雷（トラウマ）で、無理矢理記憶を引き出されることがあれば自分の腕に催淫剤を注射して気を紛らわせ、落ち着こうとする。

薬からは概ね離れられたが催淫剤にだけは依存したままで、性行為の際は必ず自分にも相手にも注射する。
そのようにして行為を行わなければ全く安心できないし勃たない体になってしまっている。
青葉ともそういった関係を持っている。

邪な出会いではあったがアウトドア派の彼女とは気が合い、ツーリングや2人でキャンプに行ったりと、彼にとっては心穏やかな時間を過ごしていた。
亡くなってはじめて彼女に惹かれていた自分に気付き、何か大事なものを見つけようとして見つけられなかった時のような、何かを失ってしまったような、複雑な気持ちになっている。
そのため彼女の死の真相と自分が所属する組織の真実を強く知りたいと思っている。

「僕はそんなかしこないんやけどなぁ、なんやかんやでお医者さんになってしもたんですわ」
「ちょっとだけちくっとするなあ。そんな痛ないで～？せや、男の子なら我慢できるなぁ？ほ～ら終わった、よお我慢できたなあ。ええ子や～」
「えー、これ届けんの？僕が？嫌やなあ。あの薬局のおばちゃん、話長いんよ。なんとか事務のおねーちゃんにお願いできんかなあ」